☆2023年1月15日(Sun)
@Asakusa Gold Sounds
「EMOTION」
今回は、2014年に「出れんの!?サマソニ」選出枠にてサマーソニック出演の経験をもつ実力派バンド、「REVSONICS」の本年最初のライブをレポート。
すっかり春になってしまいましたが、2023年最初の記事です。どうぞ最後までお楽しみ下さい。
☆REVSONICS ☆
ボーカルギター 赤塚 隆之(写真 中央)
ギター 小俣 晋哉(写真 右)
ベース 紫牟田 祐希(写真 左)
ドラム 小倉 高穂(サポート)
レポート
昨年の初夏、初めて観たライブで大好きになったバンド「REVSONICS」。それ以来、次に行かれるライブを楽しみにしていたのだが、年が明けてとうとう念願が叶った。
場所はAsakusa Gold Sounds。初めて行くライブハウスということも相まって、程よい緊張感と期待感に胸を膨らませて向かった。
Asakusa Gold Soundsは、地下鉄出口から徒歩7分。大通り沿いから一本内側に入ったビルの地下1階にあり、とてもわかりやすかった。中に入ると、5th(現在は6周年)という看板がバーカウンターの向かい側の壁に掲げてあり、その綺麗さに納得をした。バーカウンターとフロアの間の壁は大きくガラス張りになっていて開放的でとても明るい印象を受ける。フロアの中に入ると横に広めのちょうどよい広さのステージとフロア、その程よい広さの中に丁寧に流れてくるBGMもとても心地良かった。
イベントがスタートし、3番手で「REVSONICS」の出番となった。SEが流れ、メンバーが1人ずつ登場し、会場の雰囲気が彼らの空気感に変わる。
ギターボーカル、赤塚さんの「HAPPY NEW YEAR!」という掛け声とともにリズムギターからの演奏が始まる。ギターのリズムが、会場の期待感を高めていく。そして、ドラムのカウントとともに、ギター、ベースが加わると一気に疾走感がフロアを突き抜けていく。そのままの勢いで、2曲目「I Don’t Mind」のイントロが始まる。「ずんちゃずんちゃ」という、どこか日本的なイメージを感じるリズムに自然と体が揺さぶられる。和を感じるが、しっかりとビートが刻まれたロックンロール。日本語と英語が絶妙に入り混じった歌詞に溶け合ったメロディーもさらに独特の印象を与える。
これは3曲目の「西表の風」もそうだ。赤塚さんが「今年は沖縄に行けるといいな。」と言い、カチャーシーのように手を動かし歌いだすこの曲はタイトル通り沖縄を感じさせる。沖縄音楽が洋楽と入り混じったような印象をもつ、とても素敵なラブソングだ。
和と洋が見事に溶け合う、和洋折衷ロックンロールと言いたくなるような彼らの世界観の中に引き込まれてしまう。
魅せたのは5曲目の「My Favorite Things」。ギターが物悲しい美しさで鳴る中で赤塚さんが静かにしっとりと歌い始める。歌がそれまで以上によく聴こえてきて、胸にぐっと迫ってくる。次第にベース、ドラムも静かに加わり、間奏に入ると4人が奏でる音が主役となって激しさを見せる。歌うように鳴り響くギターに寄り添うように重なり合う音が1つとなって一気に胸をえぐるように突き抜けていく。
大きく感情がたかぶられる中、畳み込むように最後の曲「Imagination」が始まる。楽器同士でハモリ合っているような曲の始まり、前の3人が一糸乱れずにギター、ベースを掻き鳴らす姿、そこにがっちりとドラムが混じり合った圧倒されるイントロ。力強さで感情を煽られるような速さを感じるに、なめらかに歌が流れ、楽しくて心地よいという見事な時間が流れる。
1つのバンドとして、熟練され抜いたサウンドの渦に巻き込まれ、興奮は最高潮に達してライブが終わった。
「REVSONICS」のライブは激しめのまろやかさに包まれた一体感に惹きつけられる。
まろやかと言っても、音量は大きめでどの楽器もしっかりと存在感をもってがんがんに鳴っている。ギターソロなどではその歪んだ音が飛び抜けてくるのに全くでこぼことした印象を与えない。その抜群の一体感が激しめのまろやかさとなり、最初から最後まで十分な聴き応えを放つ。
そこにボーカル赤塚さんの独特な声とユーモアのある歌詞が混じり合う。中性的な、まろやかさと共にしっかりとしたクセもあって、印象的な声だ。歌詞は(英語の混じった)日本語のはずなのに、なぜか洋楽を聴いているような感覚を滲みだすから不思議だ。
和と洋、4人の奏でる音、声と歌詞、それぞれが持ったしっかりとした要素をただ集めたのではなく、それを見事に中和させ、強烈な1つとなって彼らを輝かせる。このかっこよさが「REVSONICS」らしさなのではないだろうか。
ライブ中のMCから今年は赤塚さんの後厄から解放され、いよいよその力が存分に放たれる1年になるとのことだ。そんなMCからも、メンバー同士の絶妙な合いの手でその仲の良さがにじみ出てくる。今年はレコーディングをしていくとのことも語られた。ライブの予定もコンスタントに発表されている。
改名から10周年という節目も迎える2023年、「REVSONICS」らしいライブと、かっこいい新たな楽曲に出会える夢のような時間で十分に楽しませてもらえそうだ。
<セットリスト>
1.Have A Good Day
2.I Don't Mind
3. 西表の風
4.Possibility
5.My Favorite Things
6.Imagination